大きな橋の上から川を眺めると、舟が一艘川の流れの中にあった。 小さな錨で浅い川底の岩に固定された舟上から、釣り人が糸を垂れる。 川は絶えることなく、白い飛沫を上げて流れ続けている。 時はこうして流れているのに、今私が目の前にしている光景は、どこか止っているような気すらしてくる。 川の音。 風の音。 木の葉の重なり合う音。 透き通った音に包まれているからなのかもしれない。