熊野を目指す旅人が必ず立ち寄ったであろう四天王寺。 その規模の大きさはもちろんだが、私の心を引いたのは、亀井堂だった。 霊水が金堂の地下にある青龍池より湧き出ずる「白石玉出の水」と言い、供養を済ませた経木をこの堂の亀甲の水盤に流す。 恐らくいろんな想いを持った旅人のこと、ここで供養をしていく人もいたことだろう。 旅に出るきっかけが、どんなものだったのか。 水に浮かんだ経木を杓ですくい上げる光景を眺めていると、ついそんなことを考えてしまう。