今回は、夢のあるちょっとワクワクするようなお話です。
インドネシアの海で水中ロボットカメラを使って、生きた化石といわれるシーラカンスを探し出して、インターネットで映像を世界に発信しようというプロジェクトが日本の民間グループで進められています。
今回のプロジェクトを進めているTV制作会社ジンネットの代表たかせひとしさんにお話をお伺いしました。
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このプロジェクトについて教えていただけますか。
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インドネシアから先ほど帰ってきたばかりです。というのは、インドネシアの国際会議で、シーラカンスのシンポジウムに出席して、そこでこのプロジェクトを発表してきたのです。反応はすごかったです。
すぐにアメリカの学者を始め4人ぐらいが寄ってきて、是非参加させてくれと言ってきたのをはじめ、参加の申し込みが色んな国から来ています。
シーラカンスは1938年に南アフリカで発見されて以来、アフリカ南部にしかいないと思われてました。ところが3年前にインドネシアでも発見されて、学問的に大騒ぎになりました。ジャカルタにひとつ標本がありますが、インドネシアのシーラカンスを外国の研究者が確認したのは2回しかありません。
日本がこれに非常に深く関わっていまして、この標本を作るに当っても日本の援助がありました。シーラカンスを守ろうという、色んな現地の取り組みも日本主導で国際協力事業団(JICA)が進めています。
こんなに日本と縁があるにも関わらず、日本ではあまり知られていません。
ところが、今回は現地のジャマイカで永年シーラカンスの保護活動に取り組んでこられた和田茂樹さんが中心になって盛り立てて、日本も一肌脱ごう、日本の民間資金を集めて、日本の最新技術を使って探してみて、世界中の子供たちや研究者に見ていただきたい、というプロジェクトです。
最初は雑談から始まったんですけれどね……
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今まで2つしかみつかってないのに本当に探せるのですか?
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シーラカンスは百何十メートルもある深い海に住んでいます。
最近インドネシアでは鱶鰭の需要が増えて、フカを獲るために漁師たちが網を深いところまで入れるようになってきています。そうした網にシーラカンスがたまたまひっかかったんですが、つまりそれは、実際は非常にたくさんいることの証拠ではないかと考える学者が多いのです。
アメリカの学者がたまたま魚市場にいたら、そこに運び込まれる変な魚がいるということから、3年前にインドネシアで発見されたくらいです。
そこでJICAの和田さんたちが漁師に聞き込みをしたところ、「私もそういうのをひっかけた」という証言がいっぱいあったんです。名前もわからなかったので誰も注目しなかったから、へんな魚だと捨てられたり、切り身にして食用として売られたりしてたそうです。
実際アメリカ人が発見した時も、レストランに売られていました。
ちなみに食べた人の話だとかなり油っぽくて、たくさん食べると下痢をするということで食用には向いていないようです。
和田さんやアメリカの研究者がかなりたくさんの漁師に聞き込みをして、あのあたりのポイントにいるというのはわかっていますので、あとは、ちゃんとした技術のあるロボットカメラを入れて、そのポイントを探していけばかなりの確立で発見できるのではないでしょうか。
だから私たちは、見つかる可能性は100%だと思っています。
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このプロジェクトを進めていくにあたり何か問題はありますか?
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問題はお金です。大きな調査船を出して、そこに世界中の学者を乗せて、日本の最新の機器を積んで潜るので大掛かりなものになってきます。
映像を船から衛星に電波で出して、ホームページにアクセスしてみられるようにする仕組みを作る上でかなりのお金が必要です。
私たち日本の企業や民間から資金を募って、インドネシアの為に一肌脱ぎませんか、という資金集めが始まります。
ホームページは立ち上がっています。調査は来年の8月を予定しています。
かなり高い確率で映像をお届けできると思い信じています。
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