|
|
|
「21世紀に残したいもの」についてお便りを募集しています。 |
「私は毎朝、市場だよりのコーナーで、旬の野菜や鮮魚の入荷の様子、旬のもののおいしい食べ方などを伺うと、もうそんな野菜や魚が出回る時期なんだなあ、早く食べたいって思って、季節の移り変わりを感じます。 |
|
旬の食材に関して、今年になって始めて食べた時のことを俳句に詠んだりする こともあって、食べ物はなるべく本来の旬の頃に味わうよう心がけています。
ところが近頃では、栽培方法や輸送力の発達によって旬の食べ物だけでなく、たいていの種類のものがお店に並ぶようになって、本来の旬が分からないまま食べている家庭が増えているようです。確かに値段もそれほど高くなければ、どの季節にどの食材を食べても構わないんですが、野菜に含まれる栄養価は季節によってかなり差があるようなんですね。
野菜全部がそういう訳ではないそうですが、例えば、夏のトマトやキュウリは冬に出るものよりもビタミンCが多く、逆に、ホウレンソウは冬のものが夏のものよりもビタミンCが多いという調査結果が出ているそうです。人工的な環境で作られた野菜は、雨や気温に左右されずに安定して出荷できますが、旬の時期とそうでない時期に作られたものは栄養そのものに違いがあるんですね。もちろん、食卓にのぼる野菜は、栄養をとるためだけでなくて、料理の彩りやとりあわせによっては大切な脇役にもなりますから、旬のものだけにこだわることはないんですが、少なくとも旬の味、旬のおいしさを知った上でメニューに加えるほうが利用の幅が広がってくると思うんですが、いかがでしょうか?
|
2000年7月3日 毛利千代子 |
|
|