今なお隆々と繁る桂の大木。 タタラ製鉄と桂の木は切っても切れない関係にある。 砂鉄を溶かして、鉄を作るというタタラ製鉄を 行なってきた人々には、固有の信仰があり、 その象徴とされる金屋子の神が、 この木を伝って天から降りて来たという。 初夏のこの日、すでにタタラの操業が閉じて数世紀を 経ようとしているにも関わらず、この桂の枝葉は衰えるどころか、 日の光を浴びて眩しいほどに輝いていた。