雨上がりの朝

夜半には、強い雨が降っていた。
宿を出る朝も、五月雨は静かに落ちていた。
砂鉄を精錬するために、多くの木炭が使われた。
つまり森が鉄を育てた。
当時、山の木々たちが次々に切り出された。
でも今、
その頃のことは全くうかがいしれない。
濃淡鮮やかな緑が山を覆い尽くしている。
この雨水が、豊潤な水が、
山に命を与え、人に命を与えてきたのだ。

 
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Photo&Essay:Shuji Enmando